豆知識

身近に潜むフィッシング詐欺?巧妙化する手口と被害を防ぐヒントとは

身近に潜むフィッシング詐欺?巧妙化する手口と被害を防ぐヒントとは

今やネットショッピングやキャッシュレス決済は日常生活の一部となりました。それに比例して増えているのがクレジットカードの不正利用です。特に2024年には、被害額が過去最多の555.0億円に達し、深刻な社会問題となっています。

中でも特に深刻なのが、インターネット上でカード情報が盗まれる被害です。実際、統計では個人の“番号だけを抜き取られる”被害が全体の9割以上を占めており、もはや他人事とは言えません。

進化するフィッシング詐欺の実態

このようなカード情報の不正取得は「フィッシング詐欺」と呼ばれています。詐欺師は、金融機関や大手企業などになりすまし、メールやSMSで利用者に偽のサイトへアクセスさせ、カード番号やパスワードなどの個人情報を入力させます。特に、SMSを使った手口は「スミッシング詐欺」とも呼ばれています。
かつては文面や見た目から「怪しい」と気付くことが容易でしたが、近年ではデザインや文章の巧妙さが増し、本物と見分けがつかない程に進化しています。公式ロゴを用いて、URLやメールアドレスも本物そっくりな文字列を使うなど、非常に巧妙です。例えば、最近よく見られる手口としては、以下のようなものがあります。

  • 配達業者や公共料金の「支払い確認」などを装った通知
  • セキュリティ確認のためログインが必要です」という内容のAppleやAmazonを装ったメール
  • 正規サイトに酷似したデザインの「偽アプリ」のダウンロード誘導

これらはいずれも、「早く対応しないと大変なことになる」といった不安や焦りを利用者に与え、冷静な判断をさせないように仕掛けられています。加えて、違和感のある表現や不自然な日本語が使われている場合も多く、文面の細部にも注意を払うことが重要です。

実際に詐欺に遭うまでの経緯

仮に、「フィッシング詐欺」の実態や事例を知識として身につけていたとしても、詐欺に遭うリスクは常に存在します。そこで重要なのが、「被害に遭う感覚」を実際に体験するということです。学術的な論文では、情報モラル教育において「体験」型授業の有効性が示されています。

情報モラル教育では、教材中心の「教材」型授業と体験中心の「体験」型授業を両立した「両方」型授業は、抽象的概念を理解させるのに効果的であり、かつ他の教授法と比べて情報化社会に参画しようとする意欲を育む効果がある

 

フィッシング詐欺を「体験」して学ぶ

私たちサイバー防犯教育等研究会では、小中高生向けに情報モラル教室を実施し、生徒の皆様のインターネットリテラシー向上に取り組んでいます。授業では事例紹介やグループワークなど、さまざまな形式を取り入れていますが、今後は新たな試みとしてフィッシング詐欺を模擬体験できるワークの提供を想定しています。
そこで、「フィッシング詐欺の体験ゲーム」を作成しました。どんな手口で詐欺に遭うのか、個人情報の漏洩までにどのような手順を踏むのか。体験を通してフィッシング詐欺を防止するための情報リテラシーを高めてみましょう。(最終的なエンディングは3種類あります。自分の選択がどのような事態を招くことになるのか、体験を通じて学んでみてください)

 

フィッシング詐欺を防ぐには?

フィッシング被害は、「常に疑いの目を持つこと」「対策を講じること」が何より重要です。以下のようなポイントを意識しましょう。

  • メールやSMS内のリンクはその場で開かず、公式アプリブックマークからアクセスする。
  • 表示されたURLメールアドレスの文字列に微妙な違いがないか、じっくり観察する。
  • 不審に思ったときはメールに書かれた連絡先ではなく、自分で調べた連絡先を使って問い合わせる。
  • スマホやPCのセキュリティ対策アプリやソフトを最新版に保つ。
  • カード会社が提供する不正利用通知サービスやワンタイムパスワード機能を活用する。

最後に

フィッシング詐欺は、誰にでも起こりうる“身近な犯罪”です。ですが、正しい知識と冷静な判断、そして日頃からの備えがあれば、被害を最小限に防ぐことが出来ます。被害に遭ってからでは手遅れなので、今この瞬間から、自分自身と周りにいる大切な方々の情報を守る意識を高めていきましょう。
一人ひとりが「詐欺に引っかからない力」を身につけることが、被害の無い安全な社会をつくる第一歩です。私たちはその一歩を支える存在として、今後も活動に尽力して参ります。この記事が、皆さまの安心と被害防止への一助となれば幸いです。

参考文献

 

最後に

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