豆知識

【フリー素材って無料なの?】指差し確認!利用規約とライセンス

インターネット上には、魅力的な「無料イラスト素材」があふれています。
ブログ記事、SNS投稿、プレゼンテーションなど、様々な場面で手軽に利用できるため、多くの方が活用していることでしょう。

しかし、「無料だから、何に使っても大丈夫!」と考えているとしたら、それは大きな誤解かもしれません。

実は、「無料」と表示されていても、その素材には必ず「利用規約」や「ライセンス」が存在し、使い方に制限が設けられていることがほとんどです。

この記事では、「無料=完全自由」ではない理由と、トラブルを避けるために知っておくべき正しい素材の利用方法について詳しく解説します。

「フリー素材=完全自由」ではない理由

なぜ「無料」なのに「完全自由」ではないのでしょうか?その理由はシンプルです。

作者が定めた「利用規約」がある

イラスト素材は、誰かが時間と労力をかけて制作した「著作物」です。作者は、その著作物をどのように使ってほしいか、どのような条件で使ってほしいか、というルールを定めています。これが「利用規約」です。

利用規約は、作者の権利を守り、素材が意図しない形で使われることを防ぐために存在します。たとえ無料で提供されていても、この規約に同意した上で利用することが求められます。

多くの素材サイトでは、ダウンロードボタンの近くやサイトのフッターなどに利用規約へのリンクが小さく表示されていることがあります。

急いでいる時や、たくさんの素材をダウンロードする際に、この利用規約を見落としてしまうことが「落とし穴」となることもあるのです。

規約に違反した場合、作者から利用停止を求められたり、損害賠償を請求されたりする可能性も!

 

確認すべきライセンスの例

利用規約はサイトによって様々ですが、いくつかの共通したライセンス形態があります。

使用されやすいライセンスの制限をいくつかご紹介します!

商用利用NG

提供されたコンテンツを営利目的で使うことを禁止しています。例えば、そのコンテンツを使って商品を作って売ったり、広告に使ったりすることはできません。
個人的に楽しむ目的での利用は問題ありません。

クレジット表記必須

コンテンツを使うときは、誰がそのコンテンツを作ったのか、または提供したのかをきちんと書く必要があります。通常、「© (作った人や会社名)」のように表示します。これは、作った人の努力を認めるための大切なルールです!

再配布NG

そのコンテンツを他の人に渡したり、インターネット上に公開したりすることを禁止しています。例えば、友達にメールで送ったり、自分のSNSやウェブサイトにアップロードしたりすることはできません。

加工NG

そのコンテンツには、写真のトリミングや色を変えること、一部を修正するなど、元の状態から変更を加えることはできません。
コンテンツの見た目や内容を、作った人が意図した通りに保つ必要があります。

利用報告必須

コンテンツを利用する前に、そのことを著作権者や提供元に伝える必要があります。これは、コンテンツがどのように使われているかを作った人が把握できるようにするためのものです。

アダルト・公序良俗に反するサイトでの利用NG

アダルトコンテンツを含むウェブサイトや、社会のルールやマナーに反する内容のウェブサイトでコンテンツを使うことを禁止しています。コンテンツのイメージを守り、誰もが不快に感じないような場所で利用しなくてはなりません。

これらの条件は複数組み合わされて設定されていることがほとんどです。

誰かの著作物を利用しようとするときには、必ず確認すべき事項でもあるので注意が必要です!

よく見る!CCマーク(クリエイティブ・コモンズ)の意味

世界的に広く使われているライセンスの一つに「Creative Commons(クリエイティブ・コモンズ)」があります。これは、著作物の利用条件を分かりやすくアイコンで示すものです。

主なアイコンとその意味は以下の通りです。

  • BY (表示):作者の氏名(表示)を記載すれば、自由に利用・配布・改変ができる
  • NC (非営利):非営利目的であれば、自由に利用・配布・改変ができる。商用利用は不可
  • ND (改変禁止):原作を改変せずに、そのままの形で利用・配布ができる
  • SA (継承):改変した場合は、元の作品と同じライセンスで公開する必要がある

これらのアイコンが組み合わされて、例えば「CC BY-NC-ND」(表示-非営利-改変禁止)のように表示されます。この表示があれば、作者名を表示し、非営利目的で、改変せずに利用できる、という意味になります。

ありがちで危険な誤解

他人がSNSで使ってるから、自分も使ってOK?(→NG)

「あの人がSNSで使っているから、自分も使って大丈夫だろう」安易に考えてしまうのは危険です。その人が正しく利用規約を守っているとは限りませんし、たとえその人が許可を得ていたとしても、それがあなたにも適用されるわけではありません。

利用規約は、素材をダウンロードして利用する「あなた自身」が確認し、遵守する責任があります。

正しい使い方を知る方法

では、トラブルなく安全に無料イラスト素材を利用するためには、どうすれば良いのでしょうか?

素材サイトで「利用規約を見る」ことの大切さ

最も重要かつ基本的なことは、素材をダウンロードする前に、必ずそのサイトの「利用規約」「ライセンス」のページを確認することです。

利用規約は、サイトのフッター(一番下)やメニュー、FAQ(よくある質問)などにリンクが貼られていることが多いです。面倒に感じるかもしれませんが、数分間目を通すだけで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。

特に、商用利用を考えている場合は、「商用利用可」と明記されているか、その条件(クレジット表記の有無など)をしっかり確認しましょう。

使う前にスクショで「証拠を残しておく」と安心

万が一、利用規約が後から変更されたり、誤解が生じたりした場合に備えて、利用規約のページをスクリーンショットで保存しておくと安心です。いつ、どのような規約だったのかの「証拠」として残しておくことができます。

まとめ:素材利用前に確認するチェックリスト

無料イラスト素材を安全に利用するために、以下の3つのポイントを必ず確認しましょう。

  1. 利用規約を熟読する
    特に「商用利用の可否」「加工の可否」「クレジット表記の有無」「再配布の可否」は必ずチェック!
  2. ライセンスの種類を確認する
    Creative Commonsなどの表示があれば、その意味を理解して確認しておく!
  3. 規約のスクリーンショットを保存する
    万が一のトラブルに備え、証拠として残しておく!

「無料」という言葉に惑わされず、作者の意図とルールを尊重し、賢くイラスト素材を活用しましょう。正しい知識を持って利用することで、あなたの作品もより魅力的なものになるはずです。

最後に

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